第128章 強くなれる理由<参>
一方。合体した鬼の気配は、森の中をソラノタユウに導かれながら走っている汐にも届いていた。
(何、この感じ!?ヒトデ爺の物なのは確かだけれど、最初の気配とは訳が違う・・・!炭治郎、禰豆子!!)
汐は焦る気持ちを抑えながらも、気配のする方向へ足を進めた。
すると身体を震わせるような音が響き、地面が激しく揺れた。
(何!?地震!?)
汐はよろけながらも視線を上に向けた、その時だった。
はるか上空に木の龍のようなものが現れ、激しく暴れているのが見えた。
その龍から鬼の気配を感じた汐は、すぐさまその場所へ向かった。
木の龍はうねりながらも、炭治郎を捕らえようとその頭を伸ばしていた。
既に玄弥と禰豆子は捕まり、炭治郎だけが辛うじて逃れている状態だ。
だが、炭治郎も愚かではない。逃げ惑いながらも、冷静に鬼の攻撃を分析していた。
(木の竜の頭は五本!!伸びる範囲は、およそ六十六尺だ。よし、一つ分かったぞ!!)
炭治郎は空中に投げ出されながらも、身体を捻って技を放とうと刀を構えなおした。