第128章 強くなれる理由<参>
(ヒノカミ神楽、碧羅の・・・)
しかし炭治郎が技を放つ寸前、木の龍が口を開き、空喜超音波を炭治郎に浴びせた。
空中では身動きが取れない炭治郎は、その攻撃をまともに受けてしまった。
「ガッ・・・!」
炭治郎はうめき声を漏らしながら、近くの木に身体を打ち付けそのまま落下した。
「オエッ」
炭治郎は酷い眩暈と吐き気に耐え切れず、そのまま胃の内容物を吐き出し蹲った。
(こっ・・・鼓膜が破れた。目が回る、立てない、駄目だ!!早く立て、早く!!)
歪む視界の中、それでも炭治郎は必死に立ち上がった。
(攻撃が来るぞ!!)
炭治郎が駆け出すのと、鬼の太鼓が鳴り響くのは同時だった。
地面が八つ手の形にへこみ、炭治郎の左足を容赦なく砕き潰す。
新たな鬼は、今までの鬼の全ての攻撃が使えるようだった。
攻撃予知で攻撃が来るのはわかるが、その猛攻に対処しきれなくなっていた。
一向に衰えない攻撃に、炭治郎の顔に焦りが見えた時。その目にあるものが映った。
それは、海の底のように真っ青な髪に、目を引く真っ赤な鉢巻。
(汐・・・!?)
炭治郎が汐の姿を捕らえたその一瞬の隙を突き、死角から木の枝が炭治郎の身体に巻き付いた。