第128章 強くなれる理由<参>
汐、無一郎と分断された炭治郎と禰豆子は、分裂し力を増す半天狗に苦戦を強いられていた。
寸でのところで玄弥が駆け付けたものの、分裂した鬼がそれぞれ異なる能力を使うため、戦況は不利に傾きつつあった。
だが治郎と禰豆子も、負けじと新たな技【爆血刀】を生み出し鬼に手傷を負わせ、玄弥も重傷を負いながらも鬼の本体を突き止め追っていた。
そしてついに、玄弥の目が鬼の本体を捕らえるが、それは想像をはるかに超えるものだった。
半天狗の本体は、野ネズミほどの小さな小さな鬼だった。
その頸は非常に硬く、玄弥の刀をいとも簡単にへし折り、炭治郎の赤い刀でも斬り落とすことはできなかった。
それどころか、炭治郎達の前には六体目の新たな鬼が現れていた。【憎】という文字が刻まれた雷神の太鼓のようなものを背負った、幼い少年ほどの姿の鬼だった。
鬼は半天狗の本体を、樹木のようなもので盾のように守り炭治郎の攻撃を防いでいた。