第124章 招かれざる客<参>
無一郎が到着すると、既に化け物は何匹か入り込んでおり、一人の鍛冶師が襲われていた。
菜切り包丁を持ってはいるが、到底武器にはならないだろう。
「鉄穴森さん!!」
無一郎は叫ぶ小鉄を乱暴に落とすと、そのまま化け物の壺を一太刀で斬り裂いた。
だが、化け物はまだうめき声を上げながら無一郎ににじり寄ってくる。
数には問題はない。だが、動けば間合いの外になる小鉄たちが襲われてしまう。
しかし無一郎に迷いはなかった。襲われる前に、全て自分が倒してしまえばいい。
無一郎が動き、前方の化け物を一瞬で倒し、小鉄たちに襲い来る化け物も瞬時に倒した。
その無駄のない動きに、小鉄たちは目を奪われる。
やがて最後の一匹を倒した無一郎が、座り込む二人に近寄ろうとすると、足元から這い寄る様にして化け物が近づいてきていた。
無一郎はすぐに振り向き、刀を向ける。だが、その刃が届く前に、化け物の壺は淡い青色の刀に貫かれた。