第121章 記憶の欠片<肆>
「やった、当てたわ!」
汐は思わず歓声を上げるが、炭治郎はそのまま倒れたまま動かなくなってしまった。
「ちょっ、炭治郎!?大丈夫!?」
汐が駆け寄ると、炭治郎は規則正しい寝息を立てていた。
余程疲れていたのだろうか、軽くゆすっても声を掛けても起きそうになかった。
「小鉄。悪いけど手伝ってくれる?炭治郎をこのままにしては置けないもの」
「え、でも・・・」
「つべこべ言わずにさっさとしなさい。それとも、もう一回お仕置きされたいの?」
「・・・すみません」
小鉄は小さくそういうと、汐と共に炭治郎を部屋へと連れて行った。そしてこれからは、汐も炭治郎と共に(小鉄の監視も兼ねて)訓練につきあうことになった。
いつの間にか日は沈み、夜の帳が降りようとしていた。