第121章 記憶の欠片<肆>
その後鉄火場と別れた汐はある場所へと向かっていた。
(炭治郎、どうしてるかな。確かあの人形での戦闘訓練するって言ってたけど)
あの後炭治郎は、無一郎への復讐に燃える小鉄から、人形で鍛えて一泡吹かせてやれと焚きつけられていた。
(小鉄はともかく、どんな訓練をしているかは気になるわ。確かこっちだった気がするけれど・・・)
木々が並ぶ森の中を歩いていると、遠くから何かがぶつかるような音が聞こえてきた。
汐がその方向へ向かうと、開けた場所で両腕をふりあげたまま止まっている人形と、その足元でうつぶせに倒れている炭治郎の姿があった。