第14章 最後の文化祭!!
冨樫という生徒が上野とトラブルを起こした。
原因はまち針つきの未完成の白ランに気づかずその上に座りまち針が刺さったから…
「という訳なんだよ…」
「それで珠紀がこんな状態ってわけか…」
珠紀はずっと落ち込みっぱなしなのだ。
さすがに気になった千晶が夕士と珠紀を屋上に呼び出した。
「なんでそんなに冷静でいられるんだよ…書かれたこと…一部は事実じゃねぇか…バレたら…」
夕士はそう言って悔しそうにしている。
「バレたら…俺は潔く教師を辞める。お前らには悪いがな…自分の女も守れねぇようじゃ…生徒すら守れねぇからな…」
「直巳…ごめん…」
珠紀はそう言って泣きそうな顔に拍車がかかる。
「お前が謝る必要はねぇよ。」
千晶は珠紀の頭にぽんっと手を置くと微笑んだ。
夕士がプチを使おうと言い出したが…
千晶が夕士に怒った。
「夕士くん…そういうのはね…人を恨む為に使ったらいけないものだよ。あたしもそりゃ…自分の能力使って犯人をあぶり出してやりたい…でも、そんな事しちゃいけないんだよ…」
珠紀はまだ不安そうな様子だが夕士に向けてしっかりとした口調で言った。
「そうだよな…ってことは…天堂の能力ってそういうのも分かるのか?」
夕士は不思議そうに言った。
「あたしの能力はね。透視、蘇生、憑依。やろうとすればクラス全員の心を透視して犯人を炙りだす事ができる。でも、それをやった所で正義でもなんでもない。本人がやっちゃダメだって自分は変わらないとダメだって、気づかないと意味がないんだよ…でも、さすがに2回目の書き込みは効いたなぁ~…ずっと…この体がコンプレックスだったから…」
珠紀は何かを思い出したかのように悲しい顔をした。
千晶は、それを知っているのか何も言わずに優しく珠紀の頭を撫でた。