第13章 春休みからの絶望と希望
春休みは色々あった。
まり子が預かってきたタマゴが孵って夕士にくっついたり…
宝石の展覧会に行ったら強盗に襲われて千晶と珠紀が怪我して入院したり…
夕士は千晶にプチの事を話したり…
とにかく怒涛の春休みだった。
「珠紀〜!!」
「いった…カッキー…まだお腹が痛いんだから抱きつかないでよ~…」
学校にやっと来れた珠紀は垣内に抱きつかれていた。
千晶は一足先に退院して既に復帰しているが、珠紀は3日遅れて退院した。
「ごめんごめん…でも傷口は塞がったんでしょ?」
垣内はお腹を押さえて痛がる珠紀に言った。
「そうなんだけどさ…」
珠紀は暗い顔になった…
「どうしたの?なんかやばい病気が見つかったとかっ!?」
珠紀の様子に桜庭が焦ったように言った。
「思ったより深い傷だったみたいでさ…子宮…無くなっちゃったんだ…卵巣は残せるからってまだあるけど…」
珠紀はそう言って俯いて泣いた。
珠紀はさらに続けた…
「ずっと…彼氏出来た時からずっと…この人の子供を産みたいって…ずっと…夢…見てきたのに…それなのにっ…作業療法士には…〖前向きにいきましょう…貴女は貧血症だから生理が来ない分体調が良くなるかも〗なんて…言われたよっ!?でもさ…でもさ…」
珠紀はそこまで言うと涙が溢れて話せなくなった。