第13章 春休みからの絶望と希望
秋音も卒業式を迎えた。
秋音は四国のほうに介護福祉士を目指しながらお寺で住み込みで修行に行くらしい。
「秋音ちゃん…これあげる。」
珠紀がそう言って渡したのは…
「えっ!?これ高かったんじゃないのっ!?」
秋音は珠紀からのプレゼントを開けて驚いた。
1着20万はするレディースジャケット。
「そう?普通じゃない?20万くらい」
「普通じゃねぇからっ!!」
珠紀の発言に夕士が突っ込んで皆が笑った。
秋音の後任がくるいうことで来たのは…
「ゲッ…ひぃばぁちゃん…」
珠紀は隠れようとしたが…
「久しぶりだねぇ?珠紀…聞いているよ?人間の男を捕まえたんだってねぇ~?」
後任として来たのは珠紀の父方の曾祖母にあたる猫又の桔梗。
「流石…ひぃばぁちゃん…お耳が早い…」
珠紀の顔は引きつっている。
「気をつけなよ。お前がそやつを好きになればなるほど…そやつは不幸になる。」
桔梗は珠紀に忠告をする。
「不幸になんかさせない…前のあたしとは違う。依存なんかじゃない。今はしっかり男性として人としてしっかり愛せてる。」
珠紀はしっかりと桔梗を真っ直ぐ見て言った。
「そうか。それなら大丈夫だろう。」
そう言って桔梗は微笑んだ。
そのあとはいつものどんちゃん騒ぎがはじまった。