第11章 旅立ち
「わかりましたっ!!歌わせていただきますっ!!」
千晶は折れた。
「流石…珠紀…千晶ちゃんのこと分かってるねぇ〜」
と田代が言う。
「ふふふ…作戦勝ち…みんな…千晶先生は押しに弱いから〜テストには出ないけどしっかり覚えて置くように。」
と珠紀がふざけて言うと
「「「はいっ!!珠紀ネェさん!!」」」
その様子をみて夕士は思った…
裏番長だ…と。
キャッキャしつつ田代たちと去っていった珠紀。
「なるようになったって感じだな…」
夕士は伸びている千晶にそう言った。
「なにがだっ!!少しは助けろっ!!」
と言って夕士に頭突きする千晶。
「いってぇぇ!!そんな恐ろしいことできねぇよっ!
!」
頭を両手で押さえて抗議する夕士。
「全く…あのパワーには感服するぜ…」
「だな…」
夕士は千晶の隣に座りながら同意した。
「あの情熱を勉強に傾けりゃ東大にだっていけるぜ?」
千晶はそう言ってタバコに火をつけた。
「そうそう、上手くいかないのが人生だよな。」
と夕士は微笑んで言う。
「お前といい…珠紀といい…妙にジジムサイ考えなのは周りに大人が多いせいだな」
千晶は真面目な顔で言った。
「そうか?……そうかも。」
夕士は考えながら答えた。
「珠紀には再三言ってるが…お前もつられて大人になる必要はないぞ。」
千晶はそう言うと夕士に昔話をした…
その頃…珠紀は?