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真っ直ぐ向いて歩けばいい

第8章 クリスマスからのお正月!!



珠紀は結局…お正月まで千晶の家にいた。

「あ…忘れてた…」

珠紀はそう言うとスマホでどこかに電話をかけた。

『はい。寿荘です。』

電話に出たのは黎明だった。

「あ、一色さん…今ね…彼氏の家にいるの…連絡出来なくてごめんなさい…」

『いいよ。アレが来てたんでしょ?』

「え?知ってたの?」

『知ってるも何も珠紀の使い魔くんが知らせに来てたよ。』

「うわ〜…マジか…」

『ゆっくりしてきなよ。』

「うん。」

『それじゃまたね。』

「うん。またね」

珠紀はそう言うと電話を切った。

ちなみに…千晶はその宿泊先の視察で外出中。

「あ~…暇だ〜…タァコは親戚の家に行くって言ってたし…カッキーはハワイ旅行…サクラも親戚の家にいて……」


珠紀の両親は珠紀を寿荘に預けてから1度も連絡をしてこない。

誕生日プレゼントなどイベント事の時だけに何かしら送ってくるだけ。

珠紀は思う。

両親が居たって愛されてる実感がなければ居ないのと同じ。

両親も祖母と同じく珠紀を跡取りを産む物としてしか扱ってこなかった。

祖母と違うのはそれを言葉にしないこと。

しがらみから解放されても心に空いた穴だけが癒えることは無い。

中学生の頃にやさぐれて悪い事をいっぱいした。
警察に補導されたことさえある。

タバコも吸っていたしお酒も飲んでいた。

それを救ってくれたのが千晶だった。

〖そういうのは似合う年齢になってからにしろよ。〗

止める事もなく、一言…それだけ。

その一言に納得してしまって辞めた。
自分が子供のままじゃいけない…
この人に見合う女になろうと決めた。

あれから2年…

自分は何が変わったのだろう…

喜怒哀楽が表現できるようになったこと?

それだけじゃ…足りない…

目の前にある灰皿と使い捨てライター…

タバコのストックのある場所も知っている。

なんか胸が苦しいよ…助けて…

珠紀は久しぶりのタバコの煙を肺に入れた…





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