第7章 文化祭当日!!
珠紀は慣れたように堂々と歌っている。
ステージパフォーマンスも堂々としたものだ。
「凄いわね…」
舞台袖で見ていた神谷は歓喜の声を上げた。
「珠紀の歌ってるのってかっこいいですよね~中学時代の文化祭でも歌ったことあるんです!!」
興奮気味に田代が答えた。
そう言っていると2曲目…
静かな曲調の恋愛ソング。
曲の合間に観客に見せる絶妙なバランスの目線…
誰もが見た事のないであろう妖艶な笑みを浮かべて…
全校生徒が珠紀に魅入られていた。
「あれはヤバイだろ…ヤバイ所の話じゃない…」
長谷までもが顔を赤くしてそう言うくらいに…
珠紀が歌い終わっても歓声がやまない。
ステージが暗くなって数秒後…
次は千晶がステージに現れる。
それが千晶だと皆が認識した頃に曲が流れる。
珠紀よりも上をいくパフォーマンス。
高くもなく低くもないいいバランスの歌声…
全校生徒がヒートアップ。
2曲目になり、静かな曲調になると泣き出すものまでいたくらい。
千晶が舞台袖に戻ると…
「もうヤダ。もう歌わないからっ!!わかりましたっ!?会長もですからねっ!!」
と何故かブチ切れている珠紀を見た。
「いいじゃ~ん珠紀うまいんだからっ♡」
なんて田代が言ったが…
「あのさぁ〜…タァコはこの後の面倒くささを知らないから言うんだって…好きだとか付き合ってくれとかすっ飛ばして同棲してくださいとか結婚してくださいって言われるんだよっ!?意味わからん!!」
珠紀は不機嫌そうに言った。
こうして文化祭は大盛況のまま幕を閉じた。