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真っ直ぐ向いて歩けばいい

第1章 一目惚れの二人



「ない…いるって言われた時のショックが…‼」

田代はそう言って落ち込んだ。

「じゃ、それでいいんじゃないの?」

珠紀はいつの間にか空になった弁当箱を夕士から受け取って仕舞いながら言った。

「天堂…お前…顔色悪いぞ。」

「あ〜バレた?なんで夕士にはバレるかなぁ〜」

珠紀は飄々と微笑みつつ言った。

「そりゃ、同じアパートで顔合わせてりゃわかる。せっかくるり子さんがお前の為に作ってくれてんだからちゃんと食え。」

夕士は少し怒ったように珠紀に言った。

「無理。レバー苦手だから。ほうれん草も無理。ひじきも無理。」

「わがまま言うな。」

「わがままじゃない。無理なものは無理って言ってるだけ。」

この珠紀の好き嫌いの激しさはるり子でさえ、手を焼いている。

そして、かなり重度の貧血。

1年生になって半年…倒れて昏睡状態になり入院していたくらい。

それなのに何故か成績優秀なのが不思議だ。

珠紀が100点より下の点数をとったのを見たことがない。

放課後…帰ろうとした珠紀。

「天堂…ちょっと生徒指導室に来い。」

千晶に声をかけられた。

「はーい」

珠紀は返事をすると千晶について行った。








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