第3章 溢れ出る想いと感情
昼食を食べ終わると食器を片付けて大きなテレビで映画を見ることに。
「んーなんかぜんぜん怖くない…」
見ているのはホラー映画。
井戸や不気味なものが出てくるビデオを見ると変死をするという内容のもの。
「いや…充分…怖いだろ…」
そう言う千晶に珠紀は
「どこが?こんなのよりもやばいのを師匠についてって見たことあるし…怖いのは生きてる人達だと思う。ほら、この人だって分かってるのにこうやって人に見せてるでしょ?破棄するなりなんなり見せないようにしたらいいのにさ。なんでわざわざココに置いとくかなぁって思う。」
冷静にそう分析しだす珠紀。
「俺は、平然とこれをみて冷静に分析してるお前が怖い…」
「そうかな?てか、ビビりすぎ…ガキか。」
「普通はビビるんだよっ!!」
さっきの男らしい所は、どこへやら…
子供のように怖がる千晶に珠紀はクスクスと笑った。
「笑うな…」
「笑いたくもなるよ。ギャップありすぎだもん。これをタァコに言ったらいいネタになるよ。」
「田代だけには言うなっ!!」
「まぁ、言わないよ。あたしだけが知ってる姿だと思っておくよ。まぁ、そのうちポロッと出そうだけどね。あ、相手が夕士くん辺りなら許す。」
微笑む珠紀に千晶はため息をついた。
しかし、最初に比べたら喜怒哀楽をしっかり持つようになった珠紀を微笑ましく嬉しく思った。