第3章 溢れ出る想いと感情
「きらいにならない?」
珠紀はそう言う千晶を泣いてぐちゃぐちゃになって不安そうな顔で見て言った。
「なる訳ねぇだろ。珠紀…俺はお前が好きだ…どんな珠紀でも俺が好きなお前の一部だ。」
千晶は珠紀を優しく抱きしめて言った。
「うん…あたしも直巳が好き…」
珠紀がそう言うとお互いが噛み付くようにキスをした。
珠紀はお互いの唇が離れると千晶の胸に顔を埋めた。
「しばらく…このままがいい…ずっと触れなかったから…」
そう言う珠紀を千晶は小さく鼻で笑うとそのままで居させた。
心地いい…
タバコの匂いが染み付いたシャツ…
体温…
少し激しく脈打つ心臓の音…
珠紀だけが知っているこの感触…
すごく安心する…
誰にも渡したくない…
あたしだけが知っているもの…
「珠紀?」
しばらくすると珠紀から規則正しい呼吸音が聞こえて千晶は声をかけてみたが反応はない。
「おやすみ…」
千晶は起こさないように珠紀をソファに寝かせると寝室からタオルケットを持ってきて珠紀の体にかけた。