第3章 溢れ出る想いと感情
珠紀は家に入ると千晶に抱きついた。
「珠紀?」
千晶は驚いているようだ。
「ずっと…ずっと…こうしたかった…みんなにあたしの彼氏なんだもんっ!!触らないでよって言いたくなって…でも、それじゃ…ダメだって…みんなの先生でもあるからって必死に我慢して…分かってるのにどんどん…辛くなってく自分がバカみたいで…訳わかんなくて…それで…あたしの事もよく知りもしないのに…あんな事言われて…もっと訳分からなくなった…」
珠紀は泣きながら言った。
そんな珠紀を千晶は何も言わずに話を聞いた。
「まずは、ここに座っておけ。」
珠紀を引き剥がすとソファに連れて行って座らせた。
「これ…」
「飲んでみたいって言ってただろ?」
千晶が持ってきたのはロイヤルブルーティーという高級なお茶。
「うん…でもいいの?いつも…あたしが欲しいものは買ってくれるけど…ホントにいいの?」
珠紀は俯いたままで言った。
まだ、さっきの名残なのか涙声だ。
「俺がそうしたいからそうしてるだけだ。気にするな。笑う事が滅多にないお前の笑顔が見たくていつもお前が欲しいものは買い与えてきた。お前の…珠紀の喜んで笑ってる顔を見てると俺まで嬉しくなった…お前はそうやって喜怒哀楽をしっかり出せ。俺は、お前の背負ってきた過去も感情も全てを受け止める。」