第2章 人生初の大激怒
「珠紀っ!!よく言った!!」
と垣内が賞賛の声をあげた。
「ねぇねぇ、あの青木の顔!!見た?なんか悔しそうな顔したよねっ!!」
なんて言って姦し娘たちが盛り上がっている。
「天堂…」
「ん?」
「ありがとな。」
「別にいいよ。あたしはムカついたからキレただけ。」
珠紀は夕士に心から微笑みかけた。
「天堂の笑った顔…初めてみた…」
夕士は驚いたように言った。
「まぁ、確かに?珠紀は鉄仮面少女だからね〜」
「タァコ…鉄仮面少女って何さ…そういうこと言うならタァコのおねしょして干してある布団の前でギャーギャー泣いてる写真を全校生徒にばら撒く。」
「いや〜〜!!ごめんなさい~!!珠紀様~許してください〜!!」
「許さないよ。」
「えぇぇっ!?ごめんなさい~…」
「しょうがないな…許す。」
ニヤリと微笑んで言った珠紀に田代は安心からかため息をついた。
寿荘に帰った夕士はまだ怒りに震えていた。
玄関でブチ切れている。
しかし、それも長谷からの絵葉書で落ち着いた。
珠紀も実はイラついていたが冷静になろうとしていた。
美味しそうな匂いがして食堂に行くと…
鮭のちゃんちゃん焼きといくら丼が待っていた。
その美味しさに珠紀のイライラも治まっていった。