第2章 人生初の大激怒
「それってお前らがそれくらいも出来ないって思われたんじゃないか?青木に…」
夕士もイラついているようだ。
「あーそういうことか。」
「なに?珠紀はわかったの?どういうこと?」
桜子が不思議そうに言った。
「例えばさ…タァコは部活の先輩やバイト先の社長なんかを呼び捨てにしないよね?」
「うん…」
珠紀の呼びかけに田代は返事をする。
「青木はそれをそういう常識が分かってないと思ってるんだろうね。あたしの事もそう。金持ちで箱入り娘だろうから一般的な常識が身についてないと思われてたってわけ。確かに青木はうちらの事を思ってる。でも、それってうちらの一部しか見てないで言ってるに過ぎない。」
「あ〜…だからあたしはムカついたんだ…」
珠紀の言葉に田代は納得していた。
「まったく…大きなお世話だっつうの。」
夕士がイラついて言うと
「それいい〜!!」
と田代が言って盛り上がっていた…
そこに青木が登場。
ゲッ…という顔をする姦し娘たち。
青木は夕士にハンデがどうとかなんとか言っていた
切れて立ち上がった夕士を珠紀が止めた。
「青木先生。ハンデってどういうことですか?」
静かに珠紀は言った。
「稲葉くんは両親がいないし皆とは違う生活を送っているでしょう?」
「両親が居ないからって皆とは違うってそれこそ偏見と差別だと思いますよ。千晶先生に教師が何たるかなんて説いて置きながら青木先生は夕士が両親が居ないからって差別して特別な扱いをするんですね。なんとまぁご立派な先生ですね。お見逸れ致しました。」
「えぇ…まぁそうね…天堂さんも頑張ってね。」
珠紀の言葉に青木は困ったように言って去っていった。