第17章 ビックニュース!!
珠紀は山本をカウンターに連れて行って座らせた。
「開店は遅らせる。こっちの方が大切だから。だから
山本さん。話して欲しいな。あ、何飲む?あ、伊吹っていうお茶あるけどそれにしてみる?」
と珠紀が言うと…
「すいません…それでお願いします。」
と山本は遠慮がちに言った。
珠紀はお茶をワイングラスに注ぐと山本の前に出した。
「ありがとうございます…」
山本はそう言って1口飲むと驚いた顔をしていた。
「不思議なお茶でしょ?色は明らかに緑茶なのに何故かミルクの香りもするの。ここでしか飲めない特別なものだよ。さてと、話してごらん。」
珠紀はそう言って微笑む。
「あたし…卒業してから就職したんです…大学行って遊び歩いてるお姉ちゃんよりはそっちの方が偉いと思ったから…そしたら…いつも怒られてばっかりで…誰も認めてくれなくて…頑張っても頑張っても…誰も認めてくれなくて…それで…あの時みたいに癇癪起こしちゃって…そしたら…みんなに無視されるようになって…辞めて…どうしたらいいか分からなくなってたら何故か天堂先輩の事が浮かんで…」
山本はそう言い終えると泣いた。
「山本さん…辛かったね。でもね認められることが全てじゃないんだよ。」
「へ?」
珠紀の言葉に泣きながら声をあげた山本。