第17章 ビックニュース!!
「確かにね。あたしだって皆に認められようと自分を磨いていたからこそここに居られる。けどさ、それって別に認められなくてもいいと思ってやってたんだ。誰かに認められなくたって頑張れば自分にいつか特になる。山本さんは今まで頑張ってきたよ。大丈夫。これから学べばいいんだよ。礼儀も言葉遣いも…何もかも…」
珠紀は山本の頭を優しく撫でた。
「天堂先輩……あの…先輩の所にいちゃだめですか?」
山本は真っ赤な目で珠紀を見て言った。
「ここで働くってこと?」
「はい…だめですか?」
山本の言葉に珠紀は考え込んでいた。
「分かった。いいよ。」
しばらく沈黙が続いて珠紀は言った。
「いいんですかっ!?」
山本は嬉しそうに言った。
「その代わり。条件がある。」
「条件?」
山本は珠紀の言葉に不思議そうな顔をする。
「一つ、あたしのことは名前呼び。そしてあたしもあなたを名前で呼ぶ。今は見習い期間とする。見習い期間の時はお客さんに舐められることもあるだろうけどそれにいちいち切れない心を持つこと。例外はあり。」
と言った。
「はい。頑張ります!!珠紀…さん…」
「よし!!その意気だ!!小夏。おいで…開店準備だよ。」
珠紀はそう言って山本を裏に連れていった。
「珠紀ってあの頃と変わらないですよね…パワフルっつうか…女らしくねぇっていうか…」
冨樫はあの日の文化祭を思い出すかのように言った。
「珠紀はね。昔から女の子らしいって言葉を嫌ってたからね。それでも、自分がしたい事を追求してひたすらに生きてきた。色々とあってね基本的にはクールな子になっちゃったけど本来は天真爛漫な性格なんだよ。」
マサムネは冨樫に微笑んで言った。
「俺…ここで働けてよかったです。」
冨樫も微笑んだ。