第16章 冬休みーー!!そして、旅立ち
珠紀と千晶はエヴァートンに来ていた。
「ねぇ、マサムネさん…あたしみたいなのが本当に次期オーナーでいいの?」
珠紀はロイヤルブルーティーを飲みながら言った。
「確かに今までのエヴァートンの雰囲気には合わないかもしれないけど、珠紀なら面白くできるかと思ってね。」
マサムネはそう言ってグラスを拭きながら微笑んだ。
「どういうこと?」
珠紀は意味がわかっていないようだ。
「珠紀のことは道場で教えてた訳だし、幼い頃から知っているからね。いつも真っ直ぐで純粋。だからと言って騙されやすい訳でもなくてしっかりと人を見極める事ができる。俺はそういう珠紀なら任せられると思ったんだ。あ、でもサポートはするよ?」
マサムネは珠紀を安心させるかのように優しい口調で言った。
「俺も珠紀とお前らには言っておかないとな。」
と千晶が突然言い出す。
「なにを?」
珠紀は真面目な顔をしている千晶を見つめながらいう。
「珠紀が卒業したら、俺は此処でまた歌おうと思う。」
千晶は決意したような真っ直ぐな瞳で言った。
そして、さらに続ける。
「珠紀…卒業したら…結婚しよう…」
珠紀は一瞬、驚いたが
「うん!!不束者ですがよろしくお願いします。」
と満面の笑みで嬉しそうに言った。