第1章 嫌われ者鬼師匠1【冨岡×新弟子】
それからというものの、花怜は水の呼吸を習得した。
あっという間に強くなってしまった。
最終選別に出させることにした。
「義勇さん、鬼なのに鍛えて下さってありがとうございます。頑張りますね!」
彼女は笑顔は凛々しかった。
「花怜」
俺はずっと持っていた鞄から自分と同じ羽織を出した。
「俺の羽織と同じヤツだ。お前にやるよ」
「義勇さん……!」
俺は花怜に近付き、そっと羽織を着させてやった。
「頑張って来い」
「ありがとうございます」
花怜は笑顔で去って行った。