第4章 嫌われ者鬼師匠2【冨岡×新弟子】
義勇は花怜の手を握った。
義勇さん、ものすごく不安そうにしてる……。
「花怜は渡さない」
「へっ?」
「そういうことじゃねぇだろ!」
派手派手な男が爆笑にしながら突っ込んだ。
「冨岡さん、かなりの溺愛ぶりですね。だから、みんなに嫌われるんですよ」
その言葉に、義勇は一歩退く。
もしかして、自殺しようとした原因の一つなのかな?
ビビっているのかと思えば、義勇は花怜に抱き着いた。
「えっ?義勇さん?」
「花怜は俺が……」
「嫌ってませんよ。私は義勇さんが大好きですよ」
この言葉が欲しいというのはなんとなく分かってしまうものだ。
「あら、冨岡さんがそんなベタベタしているのは初めて見ましたよ」
柱達は義勇に爆笑していた。
ただ一人、傷だらけの男を除いて。
「何で笑ってんだ?コイツは鬼だろ!人を食った鬼だろ!」
それは正に正論で、柱達の爆笑も静まる。
「血鬼術、瞬水」
突然、抱き締めていた義勇がそう言って消えてしまった。
血鬼術を習得するということは、それほど強くなっているということである。