第4章 嫌われ者鬼師匠2【冨岡×新弟子】
花怜は、義勇が元鬼殺隊の柱で鬼になってしまったから活動出来ないというのを知っている。
それはつい最近の出来事だったらしい。
でも、目の前の人達は彼が鬼になってしまったことを知る由もないだろう。
「義勇さんは……自分が何者であろうとも、私の訓練に付き合って下さいました。それで、この羽織を貰って……」
鬼という言葉は義勇のために伏せておいた。
「ねぇ、花怜。なぜ、柱合会議が昼ではなく夜に行われているのが分かる?」
お館様……まさか、義勇さんが鬼だと知っているのか。
「屋根の上に居るのは最初から分かってたよ。義勇」
お館様の言葉に皆は産屋敷の屋根を見た。屋根の上に義勇が座っていた。
「冨岡さん!」
「冨岡!?」
「義勇さん!」
見られてしまったからか、義勇は顔を反らした。
「どうやら、義勇の溺愛ぶりがスゴかったみたいだね。自分が鬼でも……」
「鬼!?」
柱一同が驚愕する。
「テメェ、何人食ったんだよ!」
傷だらけの露出男が言った。それでも、義勇は黙ったままだった。
すると、義勇が下に降りた。