第4章 嫌われ者鬼師匠2【冨岡×新弟子】
「俺はこれで失礼する」
「はい!義勇さん、本当にありがとうございます」
義勇は小さく微笑んでから飛んで、その場から去って行った。
すると、鴉が花怜の肩に乗った。
「花怜、産屋敷ニ向カエ!」
「えっ、お館様のところに?」
「ソウダ!」
花怜は一日掛けて産屋敷に向かった。
着いた頃は夜になっていた。
ヘトヘトになった状態で、花怜は隠と話をしてから産屋敷に入った。
既に柱達が集まっていた。
「花怜、ようこそ」
優しい声に振り向くと、お館様が居た。
花怜の姿に気付いた柱達が顔を強張らせる。
「その羽織……」
蝶々のような羽織を着た柱の方がそう呟いた。
「わざわざ歩いて柱合会議に来てくれたのは嬉しいよ。今回は行方不明になってる冨岡義勇の話だよ」
お館様の言葉に私は目を見開いた。
「えっ……元柱だったんじゃ……」
「石原さん、彼は最近まで普通に活動していましたよ。それなのに、ある日突然姿を消したのですよ」
先程、花怜の羽織に驚いていた柱様が説明してくれた。
しかし、それは花怜にとって信じられないことだった。