第3章 透き通るように【時透×未来人】
朝起きて、無一郎君の部屋に向かった。
無一郎君は竹の水筒にしか見えない口枷を付けて眠っていた。
今見ると、彼は男に見えないくらい可愛い顔で美しい長い髪の毛。少し羨ましい。
しばらく考え事をしていると、無一郎君は目を覚ました。
「うっ?」
口枷を付けているので、話すことは出来ないのだ。なんか心苦しい気がする。
「おはよう。たぶん、この部屋から出られないと思うよ。外の日差し強いから」
昨日、胡蝶さんにこの世界の全てを教えてもらった。
鬼は日光に当たると、燃えて消えてしまうんだって。恐ろしい話だ。
無一郎君は付けているのが嫌だったのか、口枷を外してしまった。
「別に飢餓状態じゃないから大丈夫だよ。あと、僕は君と話がしたいからね」
「話?」
私が首を傾げると、無一郎君はクスッと笑った。
「ねぇねぇ、目に色が無いんだけど」
「はい?」
目が真っ暗なのは当たり前じゃないの?
でもここはどこかのアニメの世界だから、真っ暗なのは珍しいのかな?
「なんか冨岡さんみたい。なんかあったの?」
冨岡さんって誰よ。
そこは置いといて、なんか薄々感付かれてる?