第3章 透き通るように【時透×未来人】
「あら、鬼になってしまったんですね。しかも、見知らぬ女の子も連れて来ちゃって」
蝶屋敷にて、胡蝶さんは無一郎君を部屋で寝かせてから一緒に話をしていた。
「私もこの世界がよく分からなくて。明らかに私が居た時代と違うのは分かりますね」
「ということは、まさかの未来人ですか?」
「そう……なるの、かな?」
この世界は私が居た時代と違って、全然発展していないし、昔話の絵本にありそうな風景で全く違っていた。
「じゃあ、元の世界に戻るまでウチに泊まって下さい。柱の日常はとても面白いものだと思いますので」
「はい……」
元の世界は出来ることなら戻りたくない。
あの世界に良いことなんて一つも無いから。
「何かありましたか?」
「いえ……」
「今日はあちらの部屋で寝て下さい。時透君がいつ飢餓状態になって襲ってくるか分からないので」
「はい」
私は返事をして、その部屋に向かった。
ベッドに入り、ふと考える。
あの少年は大丈夫なのだろうか。