第2章 不死身な貴方1【不死川×隠】
最終選別はとても厳しいもので、鬼が居る山で七日間生き伸びることが条件。
さっそく鬼が襲ってくるので、呼吸を使ってみる。
「風の呼吸、壱ノ型、塵旋風、削ぎ」
上手く出来て良かった。とにかく隠れよう。
「この野郎!!」
顔だけ実弥そっくりの男の子が刀を持って鬼を切ろうとするが、叩き飛ばされてしまう。
助けなきゃと思い、私は木を踏み台にして飛んだ。
「風の呼吸、伍ノ型、木枯らし颪」
そして、鬼を切り裂いた。
私は後ろに居る男の子を見た。すると、かなり怯えている様子だった。
「どうして、お前が……兄貴の呼吸を……」
まさか、あの男に限って弟なんて居るのか!?
現実を伝えた方が良いのかな?
「私は実弥の継子だから。鬼になってしまった代わりに私が戦うの」
「兄ちゃんが鬼に……そんな……」
目の前の彼はかなりショックを受けている様子だった。
「実弥が鬼になってしまったのは悲しい話だ。だけど、貴方も生き抜いて実弥に会ってあげて。お互い頑張りましょう」
私はそう言って、その場を去った。