第2章 不死身な貴方1【不死川×隠】
「実弥は鬼になってしまったんだよ。だからといって風柱を後退させる気はないんだ」
お館様の優しい声にホッとする。
みんなを威嚇していた実弥も落ち着いてお館様の話を聞いていた。
「花怜、君は訓練をして鬼殺隊になってほしい。どうか、出来るかな?」
私はお館様の言葉に驚いた。
訓練ってキツいだろうなぁとかそんなことじゃない。
きっと、私は竈門兄妹のように実弥と一緒に行動する強い鬼殺隊にならなくてはいけないのだ。
そういうことを考えると怖い。鬼を殺すなんて怖い。
すると、実弥は私の頭を撫でてくれた。それはとても優しかった。
「うっ!」
「実弥……」
鬼になってもなお、鬼を嫌う彼のために私は……。
「お館様、鬼殺隊として頑張らせてもらいます」
私は土下座をした。お館様はニコリと笑う。
「良かった。花怜、頑張ってね。実弥も」
「はい!」
「うっ!」
お館様の言葉に私達は返事をした。
それを何も反論せず柱の方々は静かに見ていた。