第2章 不死身な貴方1【不死川×隠】
「口枷持ってるので差し上げます」
「正直嫌だが仕方ねぇなぁ」
私は持っていた竹の水筒を不死川さんの口に付けた。
「うっ……」
見ていてなんか辛そうだなぁと思った。
確かに瞳も変わっているように思える。
見開かれたあの瞳とは違い、少し混濁しているように見える。
「うぅうぅ……」
ずっと唸っているが、さすがに柱相手には黙れなど言えはしない。
蝶屋敷に着くと、胡蝶さんは爆笑していた。
「訓練してたら鬼に?フフフッ……」
「ヴゥ……」
胡蝶さんの言葉に不死川さんは狂犬みたいな顔をしていた。
「隠さんもお疲れ様です。あとは私がやりますので大丈夫ですよ」
「はい、では……」
私が去ろうとした時、不死川さんが私の服の裾を引っ張っていた。
「不死川さん!?ちょっと……フフフッ……」
またもや胡蝶さん爆笑。
「不死川さんのご意向で、隠さんも泊まって下さい。ちなみにお名前は?」
「石原花怜です」
「花怜さんですか。よろしくお願いしますね」
案内された部屋は二人部屋だった。
この人と寝るってヤダなぁ。怖いし。