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砂漠の白い花

第8章 見えないトコロ




黙っているとルシエトが窺うような声音で
「なにも、ないのか?」
と再び尋ねた。
「はい…申し訳ありません、
私の欲しい物はお金じゃ買えないんです…」
しょんぼりと寂しそうにエリアルは答えた。
そんなエリアルの様子を見て、
ルシエトはそれ以上言うのをやめた。

(コイツの望むもの…もしかして……)


「すまない……」
ルシエトは謝った。


((『すまない…』…無理なんだ…))

違う気持ちで同じ言葉を心の中で呟いた。


ルシエトはエリアルの望むモノは『故郷』ではないかと、思った。




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