第7章 派閥と内毒
「! ちょっと。アナタっ」
「どうしたの?」
「この子の耳飾り…」
女性達かザワザワとし始め、エリアルは更に小さくなる。
「すみませんっ、私、失礼しますっ!」
また口々に何かを言われるかと思うと耐えられなくなって、エリアルは踵を返し逃げ出した。
「あの子の耳飾り、王子の紋章入りだったわ…」
「嘘でしょ〜。
王子に専属奴隷が居るなんて聞いたことないわよ」
「見間違いじゃなくって?」
「どっちにしろ、たかが奴隷じゃない」
「そうよ。奴隷は奴隷でしょ〜。どんなに頑張ったってそれ以上にはなれないわよ〜」
アハハハハハ.
女達の高い嘲りの嬌笑が側室離宮に響いた。