第6章 王子と奴隷女
私は耳穴を開けてない。
それなのに、コレを通せ、と言うということは…。
「俺が開けてやる。
それ程痛くはない」
「嫌です!痛いっ!ヤダっ‼︎」
逃げようとする私を背後から羽交い締めに固定し、暴れられなくすると、消毒した針を、
半ば無理矢理、一気に突き刺し、
穴を開け、耳飾りを付けてしまった。
「い…い……ふぇ…ヒック……」
(嫌だっていったのに、痛い、痛い…)
痛くて悲しくて、痛くて……
涙が止まらなかった。
ジリジリとした痛みが、心の奥までも刺すようだった。
(なんで…なんで…この人は……)
また嫌いだと思った。