第6章 王子と奴隷女
泣く私を慰めてくれるでもなく、
事務的で事実的な事を言われた。
「一晩すれば痛みは引く。
数日間は消毒を欠かすな。
それから、その耳飾りは絶対に外すな。
絶対だ。これは命令だ」
(それは、お前をーー……〕
私を…奴隷らしく見せる為のものなのー…?
『他のヤツとは話しをするな』
『誰かれ仲良くするな』
多くはないが命令された事、
勝手に所有印のように耳飾りをつけられ、
目に見える形で『俺のモノ』と言われた事、
(ショックだな…)
思ったよりかなり悲しく辛かった…。
(良い人だと思ってたのに…)
その日、私は彼を軽蔑した。