第6章 王子と奴隷女
私には最初、肌をかくす衣服を用意してくれたので、何故かと聞いたら、
『エジプトの熱はお前の肌にはキツいだろうから』と言っていた。
『お前、肌が白いからな…』
観察するように、私の腕をとってスルーッと撫でた。
ゾワッ と背筋が粟立った。
怖かったのでは無いと思う。
なんとなく、得体の知れない胸の奥の疼きみたいな…
そんな悪寒だったと思う。
変な王子だと思う。
奴隷扱いの女の子にそこまで気をつけてくれるなんて。
それに、
王子なら側近、取り巻き、色々ついてくるとおもうのに、いつも大体、1人でどこかで何かをしている。