第5章 王都王宮
「この者達を馬車に乗せろ」
「はっ」
「王子は?」
「俺は馬に乗るから心配するな」
「まぁ、王子らしいですな」
ルシエトは待っていた従者に指示すると、
さっさと馬に跨る。
王子の性格を知っている者は
王子らしくない言動にも驚きも止めもせず笑う。
王子一行は一晩を外で明かし、次の日の朝
王都に到着した。
「わぁ〜
すごい人だね!
食べ物も沢山売ってる!」
ハラルは歓声を上げ続け、
大人2人は目をパチクリさせて眺めていた。
「貴方、ここは市場ですかね?
祭りではないですよね?」
ハラルの母、ファロマが言った。
こんなに人手があるのは、祭りでしか見たことがなかったのだ。