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砂漠の白い花

第8章 見えないトコロ





王子にナジャールの家族ごと王宮に連れて来られて、間もない頃。

いつものようにルシエトの寝支度を手伝って、退室しょうとしたエリアルが立ち止まると
「あの…ルシエト様…」
おずおずと口を開いた。

「何だ」
仄暗い灯の元で見る黒髪のルシエトはとても大人びて色っぽく見えた。

「あの…私の事…エリーって呼んでもらえませんか?」
意を決して口にした。

震える。
『何で奴隷を、愛称で』と言われるかもしれない。
ただ、『嫌だ』と一言返されるかもしれない。


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