第13章 〈勝デク〉君がいない世界なんて……
「……ありがとうございます」
僕はある物を探していた。僕の手の中にある光り輝く玉。ーードラゴンボールと呼ばれる、何でも1つだけ願いを叶えてくれる伝説の玉。
最初の1個目は愛知県の名古屋城に保管されていた。噂を聞いて訪れた僕は名古屋城の職員にその玉のことを聞いて、実物を目にすることができた。その後、愛知県知事と名古屋市長に頭を下げて、なんとか譲ってもらうことができた。
それを発目さんに見せて、ドラゴンボールを探すことができるドラゴンボールレーダーを作ってもらった。ドラゴンボールから発される特殊な波長を捉えて、どこにあるのか教えてくれる道具だ。これを1日で作り上げた彼女はやはり天才なのだと思う。
その道具を手に僕は世界へと旅立った。
2個目はブータン。アジアにある国で、インドの北東に位置している。とある小さな修道院に何年も大切に保管されていた。
3個目はトルクメニスタン。中央アジアに位置している国。広大な砂漠が国土の半分以上を占めている。その砂漠の中心にドラゴンボールは転がっていた。
4個目はボツワナ。アフリカの南部に位置している国。大規模な動物保護区があり、そこに住んでいるゾウのオモチャになっていた。
5個目はフィンランド。北欧の国で、サンタクロース発祥の地だ。ドラゴンボールはサンタクロース村に住んでいる、世界でたった1人のサンタクロースが所持していた。