第13章 〈勝デク〉君がいない世界なんて……
『君の願いを叶えてあげよう』
サンタさんはそう言ってドラゴンボールを渡してくれた。だいぶ早いクリスマスプレンゼントだ。
6個目はペルー。南アメリカにある国で、かの有名なマチュピチュがある。ドラゴンボールはマチュピチュの建物の間に挟まっていた。
7個目はパナマ。中米と南米をつなぐ中間に位置している国。そこにあるカジノの賭け物にドラゴンボールは使われていた。マスターとの賭け事に勝ってどうにかドラゴンボールを手に入れることができた。
ーーこうして、全てのドラゴンボールが手に入った。地面に7個のボールを置いて少しだけ離れる。
「……出でよ、神龍」
合言葉を言うと、ボールが不思議な光に包まれる。そして、空が分厚い雲で覆われて辺りが暗くなる。一筋の太い光が空に向かって伸びていく。その光が弾けると、緑色の龍が姿を表した。
「……」
それを黙って見つめる。
『さあ、願いを言え。どんな願いでも1つだけ叶えてやろう……』
龍が僕を見下ろしてそう言った。
伝説の通りだ。7つのドラゴンボールを集め、合言葉を言うと緑色の龍ーー神龍が現れて願いを叶えてくれる……。
「……かっちゃんを……爆豪勝己を生き返らせてください」