第13章 〈勝デク〉君がいない世界なんて……
その後、敵を倒して捕獲した僕は他のヒーローたちと共に病院に来ていた。
「……」
ベッドに横たわっている彼を見つめて、ただ呆然としていた。
戦いが終わって、すぐにかっちゃんは病院に搬送された。しかし、病院に着いたときには既に息を引き取っている状態だった。死亡確認をして、たくさんの人が面会をした。A組のみんな、先生たち、同じ事務所のヒーローたち、そして……かっちゃんの両親。看護師さんたちのおかげで綺麗にされた顔と体。それを見て、みんな涙を流していた。僕は……涙が出なかった。我慢していたわけではない。いつも泣き虫なはずの自分が……なぜか泣けなかったのだ。
「……」
彼の綺麗な横顔を見つめて、僕は自分の中である決心をした。
「……かっちゃん」
(僕がこの手で……君を救けるよ)
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