第11章 第3回、腐女子会 〜最強のダークホース、切島鋭児郎〜
雑食女子の梅雨と葉隠は嬉しそうに話を聞いている。
「三奈ちゃん、雑食女子への第一歩ね」
「私ね、気付いたのよ……」
芦戸は梅雨の手を握り締めた。
「雑食女子の方が楽だってことに……」
「芦戸さん!?」
お茶子は先程のダメージから復活しかけて、なんとか体を起こしたが、悲鳴を上げて再びベッドの上へと倒れてしまった。
「麗日さん……」
お茶子の気持ちが痛いほど分かる八百万が心配そうに彼女を見ている。
「麗日、ごめんね。でも、切島を見てると爆豪にはやっぱり緑谷を任せられないかな……って思っちゃうんだよね」
「……」
お茶子は何も返せない。
芦戸の言っていることは間違っていないからだ。爆豪はデクに対して、キツい言い方をするし、酷いことも平気でやっている。それに比べて、切島はデクのことを気遣っているし、いつも優しく接している。現実的に考えて、惚れる相手としては切島の方が可能性としてはある。
優しくされれば、誰だって勘違いしてしまう。
「……切島、最強じゃん」
耳郎はそこまで考えて、思わずポツリと呟いてしまった。
「……耳郎さん」
お茶子が恨めしそうに耳郎を睨む。耳郎は思わず、彼女から顔を背ける。