第11章 第3回、腐女子会 〜最強のダークホース、切島鋭児郎〜
「……」
梅雨に言われた通り、耳郎はお茶子の立場を自分に置き換えてみた。すると、ものの数秒で胸を押さえ始めた。
「……しんどすぎる」
「そうでしょ? お茶子ちゃんはそれが今、目の前で現実になっているのよ」
「麗日……」
ふと思い出して、耳郎はお茶子に向けていた憐れみの目を今度は梅雨に向けた。
「そう言えば……梅雨ちゃんも勝デクが好きだったんじゃ……」
「私は三角関係が好きだから、勝デクの間に入ってくる切島ちゃんも大好物よ」
梅雨は可愛く長い舌を出して笑った。
「だから、全然平気なの」
「そ、そうなのか……」
耳郎は心の中でお茶子に同情した。
「いいね、いいね! 梅雨ちゃん、それすっごくいいね!」
芦戸は嬉しそうに笑っている。
「爆豪から虐められて、僕なんて価値がないって思ってる緑谷が切島にそんなことないって自分のこと認められて恋に落ちちゃう……もう最高の展開じゃない!? それを邪魔する爆豪と轟のツートップ……」
「もうそれ、ただの緑谷ちゃん愛され状態じゃない」
芦戸は妄想を膨らませて、自分の頬を赤らめて手で包んでいる。
「爆豪くんと轟くんがいい当て馬にされてる……でも、全然アリ!」