第2章 類は友を呼ぶ
お茶子は目と口を開いて驚いた。
「お茶子ちゃん」
梅雨は口に長い人差し指を当てた。
お茶子は慌てて口を押さえた。
「ご、ごめんな……」
ーー腐女子の暗黙のルール。お互いが腐女子であることを一般人に知られてはいけない。
「大丈夫よ」
梅雨はにこりと安心させるように笑った。
「ねえ」
すると、梅雨の後ろに短い黒髪の少女が来て声を掛けた。
「盗み聞きして申し訳ないんだけど……」
それは耳郎だった。ーー彼女の個性は『イヤホンジャック』。 耳たぶが長いコード状になっており、コードの先端にはプラグが備わっている。また、壁などに挿す事で微細な音を探知することもできるため索敵・盗聴などにも使える。分厚い壁があろうと彼女には筒抜けである。 それは日常生活においても言えることで……。
「え、響香ちゃん……」
「もしかして……聞こえちゃった……?」
「……うん……」
「……」
(終わった……)
一難去ってまた一難。今度こそ、2人のキラキラ雄英高校ライフは終わったと思った。しかし……。
「ウチも……なんだ……」
「え?」
思いがけなかった言葉に2人は耳郎に聞き返す。