第11章 第3回、腐女子会 〜最強のダークホース、切島鋭児郎〜
芦戸の言葉に八百万は大きな黒い瞳を光らせた。
「轟さんは体育祭の後から、顔付きや態度が180度変わりましたわ。刺々しくて人と馴れ合わない態度から、みんなと関わろうとするように……それもこれも全部、緑谷さんのおかげですわ!」
八百万の周りは星が散らばっているかのように輝いている。
「うっ……確かに、作者公認のイケメンである轟に優しさが付け加わっちゃうと向かうところ敵なしなんだけど……」
芦戸は黒目を光らせた。
「ヤオモモ! 爪が甘いよ!」
「何ですって!?」
芦戸の返しに八百万は驚きのあまり、いつもは切れ長の瞳を最大まで見開いている。
「切島はね、もともと優しいんだよ! 確かに、緑谷がきっかけで性格が良い方に変わった轟はとっても魅力的だけど……そもそも、緑谷と出会う前から性格良くてイケメンで男前な切島は攻めとして最強以外の何者でもないんだ!」
「うぐっ!?」
八百万は芦戸の言葉にダメージを喰らった。
「なんかもう、切島の全てを包み込んでくれるようなあの懐の大きさって言うの? あれがやっぱりいいよね。ヒーローになって、人を救けられなかった緑谷が泣いて帰って来た時に何も言わずに抱き締めてほしいよね。もう、緑谷の旦那なのかな?」