第11章 第3回、腐女子会 〜最強のダークホース、切島鋭児郎〜
「もうさ、切島って誰にでも優しいし気が効くし……」
芦戸と葉隠は親指を立てる。
「まさにスパダリ!」
「スパダリ!?」
ーースパダリとはスーパーダーリンの略で、イケメンで優しくて相手を気遣える彼氏のことだ。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
八百万が手を挙げた。
「どうしたの? 百ちゃん」
「水を差すようで申し訳ないのですが……」
手を下ろして、八百万は芦戸の方を向いた。
「確かに、切島さんはお優しいですし漢らしい方ですわ。でも、轟さんには勝てないと思いますの!」
「あ、あれ? 今日って轟出のターンだったっけ?」
お茶子が焦ったように横にいた耳郎に聞いた。
「あー……この前、勝デクと轟出の話をしていた時に伝えたいことの1割くらいしか言えなかったってヤオモモすごく後悔してて……後は大人の事情で喋りたいんだと思う」
「それ、ほぼ大人の事情が絡んでるってことやよね?」
「まあまあ、ずっと勝デクのターンが続いていたし許してやってよ」
耳郎は苦笑いをした。
「でも、轟って優しいってイメージがすごくある感じじゃないんだけどなー」
「甘いですわ」