第8章 感想会(2)
「本当ですわ」
八百万が頷きながら、葉隠の質問に答える。
「すごいわね、緑谷ちゃん」
「あの短時間で作戦を考えるなんて……」
梅雨と耳郎は感心している。
「ええ、敵のボスが近くにいて……恐怖で足はすくみ、誰も考えが思い浮かばない状況の中で、緑谷さんだけが打開策を打ち立てたんですわ」
八百万は胸の前で拳を握り締める。
「私も……あんなことができるようになりたいです……」
「百ちゃん」
梅雨は八百万の握り締めて少し震えている両手を自分の両手で包み込んだ。
「あなただけじゃないわ。みんな、そう思ってる。誰もが不甲斐ない自分を見つめ直して、少しずつプロヒーローになっていくのよ。自分を責めないで」
「……はい」
八百万はその言葉を聞いて微笑んだ。
「ところで、麗日」
芦戸が麗日の方を向いた。
「これの続きとかって……考えてない?」
「へ?」
麗日は目をパチクリさせた。
「さっき葉隠も言ってたけど、これの続きが気になって……勝デクがこの後くっつくのか……爆豪は緑谷をどう思っているのか……」
芦戸は頭を抱えた。
「考えただけで眠れないよー!」