第8章 感想会(2)
「三角関係を彷彿させる状況もとても素晴らしいわ」
「あの時の状況を教えてくれって言ったのはこのためだったのですね。麗日さんにあの時の話をして良かったですわ。こんな素敵な作品に出会えて、私幸せです」
「へー! だから、すっごくリアルに書けてるのか!」
「これの続き読んでみたーい!」
5人は口々に感想を言っている。
「みんな、ありがとな……こんな状況なのに、あの時の話を書いてるなんて浮かれてるって怒られても仕方ないのに……」
「こんな状況だからよ」
また俯きかけていた顔を上げて、お茶子は梅雨を見た。
「大変な時だからこそ、少しでもみんなが笑顔になれることをするのがヒーローでしょ? お茶子ちゃんは私たちを幸せな気持ちにしてくれたわ。ありがとう」
その言葉を聞いて、お茶子は目に涙を溜めた。
(……こんないい子たちと出会えてよかった……)
「麗日さん」
八百万は麗日にハンカチを渡した。
「八百万さん、ありがとな」
お茶子はポロポロと流れ始めた涙をハンカチで拭いた。
「それにしても、あの時こんなことが起こってたなんて……」
「緑谷が作戦を立てたって言うのは本当なの?」