第8章 感想会(2)
「……麗日……」
麗日お茶子のお部屋には、1-Aの女子6人がいた。そして、お茶子のスマホを覗き込んでいた顔を彼女へと向けている。
「これ……本当に麗日が書いたの?」
「う、うん……」
お茶子は顔を赤くして俯いている。
6人が見ていたのはお茶子が書いた勝デクのお話だ。舞台は少し前に起こった神野区の戦いだ。
(初めて友達に自分の作品読んでもらった……)
お茶子は自分のほっぺを両手で包み込む。
ーー不謹慎だとは思った。オールマイトはこの戦いを境に、個性が消滅してヒーローを引退。そして、現役のヒーローたちも何人かが病院送りとなり、まだ目覚めていない人もいる。それでも……。
(創作意力を削ぐことはできへん)
「お茶子ちゃん……」
お茶子はみんなの反応が少し怖い気もした。浮かれていると指摘されても仕方がないと思う。
恐る恐る顔を上げると、5人はお茶子を見て同時に親指を出した。
「すごくいい!」
「……!」
その言葉にお茶子は歓喜のあまり、涙が出そうになった。
「ほ、ほんま?」
「とってもいい! 緑谷の爆豪に対する気持ちが切なくて、こう……胸が締め付けられると言うか……」