第7章 〈勝デク〉僕じゃダメなんだ
オールマイトは全力で戦えていない。かっちゃんに危害が及ぶことを避けている。オールマイトがオール・フォー・ワンに勝つためには、かっちゃんの救出が絶対条件となってくる。だから、一刻も早く助けることが必要。なのに……。
(どこだ、そのルートはどこにある。どこに……)
1つずつ道を考えていく。
(違う)
頭をフル回転させて。
(ダメだ)
考えては否定してを繰り返している。
(どこかに必ず……)
そして、ふとオールマイトが空を飛んでいる姿を思い出した。
(……隙)
「飯田くん、みんな!」
「ダメだぞ、緑谷くん」
飯田くんは僕の服を掴んで、必死で止めようとしている。
「違うんだよ。あるんだよ。決して戦闘行為にはならない、僕らもこの場から去れる、それでも……かっちゃんを助け出せる方法が!」
飯田くんの顔が驚きに変わる。
「言ってみてくれ」
轟くんが僕の目を見て言った。
「でも、これは……かっちゃん次第でもあって……」
ーー来んな……デク!
僕を否定する瞳と言葉。
ーー爆豪くん、きっと……みんなに助けられるの、屈辱なんと違うかな?
そして、麗日さんが言っていた言葉。