第7章 〈勝デク〉僕じゃダメなんだ
ーー神野区。敵(ヴィラン)連合軍は今、かっちゃんを囲んで捕らえようとしている。オールマイトはオール・フォー・ワンと戦っている。そのため、かっちゃんを助けようとしているが、オール・フォー・ワンに邪魔されて助けることができない。
僕たちは隠れている。そして、幸いにも誰にもバレていない。だけど……。
(オールマイトとかっちゃんがこんなにピンチ……なのに……)
ーー資格未取得者が保護管理者の指示なく個性で危害を加えたこと、これは立派な規則違反だワン。
ーー俺だって悔しい。だが、これは感情で動いていい話じゃない。
ーールールを破るというのなら、その行為は敵のそれと同じなのよ。
ーー何でよりにもよって君たちなんだ。何で俺と同じ過ちを犯そうとしている。
ーー脳裏をよぎるのは、ステイン戦の後に言われた言葉、クラスメイトたちの言葉、そして……先程テレビで見た相澤先生が頭を下げている姿。
(僕らは……僕らは戦うことが許されない)
僕たちは個性を使用して、敵を攻撃することができない。でも、かっちゃんを助けるには敵の中に飛び込むことが条件となってくる。
(せめて、隙が……どこか。一瞬でいい、かっちゃんを助け出せる道はないか。かっちゃんが助かれば、オールマイトも存分に力を……)